ロジックツリーの作り方:問い合わせが減った理由を分解する

「先月から問い合わせが減っている。原因を調べて」と言われた。思いつく理由を挙げてみます。広告を止めたから。競合が値下げしたから。サイトが見づらいから。季節のせいかもしれない。
挙げ終わっても、どれから調べればいいのかは決まりません。思いつきを並べただけだと、抜けがあっても気づけないし、どれが効いているのかも比べられないからです。
ロジックツリーは、大きな問いを小さな問いに分けて、調べる場所を決めるための図です。
最初の一段
いちばん上に、答えたい問いを置きます。「問い合わせ件数が減ったのはどこか」。
その下を、足し算か掛け算で分けます。問い合わせ件数なら、掛け算が使えます。
問い合わせ件数 = サイトの訪問数 × 問い合わせる人の割合
これで、調べる場所が2つに絞れました。訪問数が減ったのか、割合が落ちたのか。数字を見れば、どちらなのかはすぐ分かります。
掛け算や足し算で分けると、抜けがなくなります。訪問数でも割合でもない原因は、式の上では存在しないからです。思いつきで「広告」「競合」「季節」と並べた場合には、この保証がありません。
二段目から先
訪問数が減っていたとします。次は訪問数を分けます。
訪問数 = 検索から + 広告から + SNSから + その他
それぞれの数字を先月と比べます。広告からの訪問だけが半分になっていたら、調べる場所はそこです。検索やSNSは今回は触らなくて済みます。
さらに分けられます。広告からの訪問は、表示された回数とクリックされた割合の掛け算です。表示回数が減ったなら予算か入札の話で、クリックの割合が落ちたなら広告文の話になります。
ここまで来ると、最初の「問い合わせが減った」が、「広告の表示回数が先月の半分になった」という、誰かが確認できる一文に変わっています。
止めどころ
どこまで分けるかで迷うときは、次の一手が決まるかどうかで判断します。
「広告の表示回数が半分になった」まで来れば、広告の担当者に予算の設定を聞く、という行動が決まります。ここで止めていい。「訪問数が減った」の段階では、まだ誰に何を聞けばいいかが決まりません。
全部の枝を最後まで分ける必要もありません。数字を見て変化がなかった枝は、そこで打ち切ります。
数字がないとき
「新人が定着しない」のような問いには、掛け算の式がありません。
そういうときは、時間の順で分けます。採用の時点、入社から3か月、それ以降。どの時期に辞めているかを数えれば、調べる場所は一つに絞れます。入社3か月以内に集中しているなら、受け入れの問題を疑います。
分け方に正解はありません。分けた結果、調べる場所が狭くなったなら、その分け方で合っています。
手書きで十分
きれいな図にする必要はなく、紙に書いた枝分かれで足ります。図を整えることに時間を使い始めたら、目的がずれています。
上司に見せるときは、図そのものより、分けた結果を一文で伝えてください。「原因は広告の表示回数で、先月の半分になっています。予算の設定を確認します」。ツリーは、その一文にたどり着くための下書きです。


