報告が長い部下に「結論から話して」と言っても直らない理由

「結論から話して」と、もう何度言ったか分からない。言われた直後は少し良くなるものの、翌週には元に戻っています。
足りていないのは、指示のほうです。「結論から話して」は順番の指示ですが、報告が長い人は順番の前でつまずいています。結論そのものをまだ持っていません。
報告が長くなる人の頭の中
報告が長い部下は、起きたことを起きた順に話します。話しながら、自分でも状況を整理しています。上司への報告が本人にとっての考える時間になっているわけです。
この状態で「結論から」と言われた部下は、最初の一文に結論らしいものを置こうとします。出てくるのは「A社の件でご報告です」のような前置きで、結論は相変わらず最後です。
直すのは、報告に来る前の準備です。
上司が聞く2つの質問
報告を受けるとき、最初に2つだけ聞きます。
「私に何をしてほしい?」
「あなたはどうしたい?」
経緯を聞く前に聞くのがコツです。答えられなければ、「決めてからもう一度来て」と返します。冷たく聞こえるかもしれません。それでも、5分かけて経緯を全部聞いてから「で、どうしたいの?」と聞くよりは、お互いの時間を使わずに済みます。
これをしばらく続けると、部下は来る前にこの2つを考えるようになります。聞かれると分かっているからです。
「分かりません」への返し方
「どうしたい?」に「分かりません」と返ってくることがあります。ここで上司が答えを出すと、部下は次も答えを持たずに来ます。
突き放すだけでも進みません。選択肢を2つ出させます。「A案とB案があるとして、どちらが近い?」。選べたら、そちらを選んだ訳を聞く。それが理由になり、報告の形ができあがります。
案が間違っていてもかまいません。間違った案を持ってきた部下には、どこが違うかを教えられます。案を持たずに来た部下には、教えることがありません。
上司の側の聞き方
耳の痛い話ですが、部下の報告が長い原因が上司の聞き方にあることもあります。
結論から話した部下に、「なんでそうなったの?経緯は?」と詰めたことはないでしょうか。それを何度か経験した部下は、先に経緯を全部話して身を守るようになります。結論から話して損をした記憶があるからです。
結論を先に聞いたら、まずその結論に返事をする。経緯を聞くのはその後です。悪い報告を早く持ってきたときは、内容より先に、早く持ってきたことを認めてください。地味ですが、ここを飛ばすと他の指導が効きません。
チームでの型
1人の上司が1人の部下を直すのには、時間がかかります。上司が替われば、求められる形も変わってしまいます。
報告の型をチームで決めると、早く進みます。結論、理由、根拠の順で話す。チャットの一行目には用件を書く。全員が同じ形で報告するようになると、先輩が後輩に同じ言葉で指摘できます。上司が一人で直し続ける必要がなくなります。
社内で型を作って浸透させる時間が取れないなら、外の研修を使う手もあります。その場合は、対象の社員を同じ時期にまとめて受けさせてください。1人だけが学んできても、周りが元のままでは、その人も元に戻ります。


