中途入社が増えた組織で、仕事の共通言語をつくる方法

会議で「この件、来週までにまとめておいて」と言った。
翌週、Aさんは2ページの資料を持ってきた。Bさんはチャットに3行書いてきた。Cさんは「まだ情報を集めている段階です」と言った。
3人とも、言われたことをやったつもりです。まとめるという言葉の意味が、人によって違っていただけでした。
中途入社のメンバーが増えた組織では、こういうことがよく起きるようです。同じ日本語を話していても、仕事の言葉の意味がそろっていません。
共通言語がないと起きること
共通言語がない組織では、指示や依頼のたびに、言葉の意味をすり合わせる必要があります。
「まとめて」は、資料なのか、要点の箇条書きなのか。「確認しておいて」は、目を通すだけなのか、先方に問い合わせるのか。「優先で」は、今日中なのか、今週中なのか。
人数が少ないうちは、すり合わせは口頭ですぐ終わります。人数が増えると、すり合わせに使う時間が増え、すり合わせ漏れによるやり直しも増えます。
前の会社のやり方が違うメンバーが混ざっていると、すり合わせはさらに難しくなります。それぞれが、自分の言葉の意味を普通だと思っているからです。
共通言語にするもの
共通言語といっても、社内用語を作る必要はありません。仕事の基本の型に名前をつけて、全員が同じ意味で使えるようにします。
例えば、次のようなものです。
- 報告の型:結論、理由、根拠の順で話す
- 進捗の型:終わったこと、止まっていること、次にやること
- 計画の型:金曜に「できた」「できなかった」を判定できる形で書く
- 問題の型:起きたこと(症状)と、その原因を分けて考える
どれも、業種や会社を問わない仕事の基本です。名前と中身が決まっていれば、「進捗、3つに分けて」と言うだけで通じます。
つくる手順
困っている場面から選ぶ
型を一度に全部決める必要はありません。いま組織でいちばん困っている場面から選びます。
報告を読むたびに要点を探しているなら、報告の型から。会議で決めたことが進まないなら、計画の型から。困っている場面で使う型から始めると、効果が見えやすく、メンバーも使う理由を感じやすくなります。
全員が同じ内容を学ぶ
型を決めたら、全員が同じ内容を学ぶ機会をつくります。
ここで大事なのは、全員が同じ説明を聞くことです。部署ごとに、それぞれのリーダーが自分なりに説明すると、説明の仕方が少しずつ違い、また意味がずれていきます。
社内で勉強会を開くなら、同じ資料を使い、同じ人が説明します。外の研修を使うなら、全員が同じ研修を受けるようにします。人数が多くて一度に受けられなければ、回を分けて順に受けても構いません。
経営陣とリーダーが使う
学んだあと、型が定着するかどうかは、経営陣とリーダーが使うかどうかで決まります。
リーダーが会議で「結論から」と言えば、メンバーも結論から話すようになります。リーダーが経緯から長々と話していれば、メンバーもそうします。
新しく入った人に最初に伝える
急拡大中の組織では、型を決めたあとも、新しい人が入ってきます。入社したときに、社内で使っている型と名前を最初に伝えます。前の会社のやり方が固まる前に伝えるほうが、そろいやすいからです。
共通言語ができたあと
共通言語ができると、指示や依頼が短くなります。すり合わせの時間が減り、やり直しも減ります。
一方で、型だけで仕事が回るわけではありません。お客様ごとの事情や、自社の商品の知識は、別に伝える必要があります。共通言語は、その上に乗る土台のようなものです。報告の形のそろえ方は、人が増えて報告の形がばらばらになったときの、そろえ方で詳しく書いています。


