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採用しても社長の仕事が減らない理由と、最初に手放すこと

去年、営業を2人採用した。今年も1人増やした。これで社長は新規の商談と、次の事業の準備に集中できるはずだった。

ところが、社長の一日はあまり変わっていません。朝は若手の報告を聞き、昼は見積書を直し、夕方は「明日のお客様への説明、どうすればいいですか」という相談に乗る。採用した分だけ、相談と手直しが増えた気さえします。

社員20名前後の会社の社長から、こういう話をよく聞きます。

仕事が減らない理由

人を採用して仕事が減るのは、渡した仕事が渡した先で完結するときだけです。

若手に見積書の作成を任せても、社長が最後に全部見直しているなら、社長の仕事は減っていません。むしろ、自分で作るより時間がかかることもあります。若手が作ったものを読み、どこが違うかを考え、直し方を説明するからです。

渡した仕事が完結しない原因は、たいてい若手の能力より、仕事の基本の部分にあります。結論から報告できない。仕事を分けてから始められない。期限から逆算して進められない。ここが身についていないと、どの仕事を渡しても、最後は社長のところに戻ってきます。

社長が使っている時間を数える

まず、社長が若手のために使っている時間を、1週間だけ書き出してみてください。

  • 報告を聞き直した
  • 仕事の進め方を説明した
  • 資料やメールを手直しした
  • 遅れている仕事を自分で巻き取った

1回あたりは数分でも、合計すると驚くことがあります。仮に毎日、若手1人に10分ずつ使っていれば、3人で1日30分、1か月で10時間です。

書き出すと、同じ種類の手直しを何度も繰り返していることも分かります。報告の聞き直しは毎日あるのに、見積書の大きな直しは月に1回、というように偏りがあります。

最初に手放すこと

手放す仕事を選ぶときは、回数が多いものから始めます。

書き出した結果、報告の聞き直しがいちばん多かったとします。毎日、何人分も発生する仕事なので、ここが減ると社長の時間がいちばん空きます。

報告の聞き直しを減らすには、報告の形を決めてしまうのが早いでしょう。まず結論、次に理由、最後に根拠。この順番で話すと決めて、若手全員に伝えます。形が決まっていれば、社長は「結論から」と一言言うだけで済みます。

次に回数が多いのは、仕事の進め方の説明です。新しい仕事を渡すたびに、どこから手をつけるかを説明している。これも仕事を分ける手順を一度教えてしまえば、説明は短くなります。

社長が教えるか、外で学ばせるか

報告の形や仕事の分け方を、社長が自分で教えることもできます。ただ、社長が教えるには、社長のやり方を言葉にする必要があります。

社長は長年の経験で、報告も段取りも自然にこなしています。自然にできることほど、順番立てて説明するのは難しいものです。説明しようとして、「とにかく相手が知りたいことから話せばいい」くらいしか出てこない、という社長もいます。

社長の時間を空けるのが目的なら、仕事の基本の部分は外の研修に任せるのも一つの方法です。社長は自社の商品やお客様のことなど、社長にしか教えられないことに時間を使えます。

手放したあと

報告の形や仕事の分け方が若手に身につくと、社長の手直しは少しずつ減っていきます。ただ、ゼロにはなりません。

最初の1か月は、若手が型を使っているかを見て、使えていたらその場で伝えます。「今の報告、分かりやすかった」。この一言があると、若手は次も同じ形で報告します。

採用は人を増やした時点で終わりではないと考えています。渡した仕事が渡した先で完結するようになって、ようやく社長の手が空きます。社長が繰り返し教えている内容を言葉にする方法は、社長の「見て覚えて」が若手に伝わらない理由に書きました。

人選が固まる前の相談から、受け付けています。

次回は1月12日(火)開講、申込期限は1月11日(月)です。相談の時点では、申し込みは確定しません。担当から2営業日以内にメールで返信し、お見積りもお出しできます。

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