若手研修は内製か外注か:社員50名以下の会社の判断基準

若手の報告がまとまらない。段取りが悪くて締め切りに遅れる。研修が必要だと感じて、最初に考えるのは「社内で誰かが教えればいいのでは」です。費用がかからないように見えるからです。
先に断っておくと、この記事を書いているのは外部研修を運営している会社です。外注に寄った見方になっているかもしれません。その分を割り引いて読んでください。そのうえで、内製のほうが合う場合も正直に書きます。
内製にかかるもの
社内で教える場合、お金は出ていきませんが、時間が出ていきます。
90分の研修を5回やるとします。教える人は当日の7.5時間に加えて、準備に時間を使います。資料を一から作るなら、1回分につき半日はかかります。5回で20時間ほどです。合わせて30時間近くを、教える人の本来の仕事から引くことになります。
社員50名以下の会社で、人に教えられる人は限られます。部長か、いちばん仕事のできるマネージャーです。その人の30時間が何に使われるはずだったかを考えると、内製は無料とは言えません。
もう一つ、続かないという問題があります。1年目は熱意で乗り切れても、2年目に教える人が忙しくなると、研修は後回しになります。翌年入った社員は何も教わらないままです。
内製が向いている内容
それでも、社内で教えるべき内容はあります。その会社でしか通用しない知識です。
自社の商品知識、社内システムの使い方、お客様ごとの対応の決まり。これらは外の講師には教えられません。社内の人が教えるしかなく、教える価値も高い内容です。
資料は一度作れば翌年も使えますし、業務で毎日使う内容なので、教える側も準備に困りません。
外注が向いている内容
外に頼んだほうがいいのは、どの会社でも共通する基礎です。報告の組み立て方、仕事の分け方、問題が起きたときの原因の探し方。
これらを社内で教えようとすると、教える人が自分のやり方を言葉にするところから始めることになります。仕事ができる人ほど、無意識にやっているので説明に苦労します。「見て覚えて」になるのは、そのためです。
外の研修は、この言葉にする作業が済んでいます。型と名前が決まっているので、受けた社員どうしが同じ言葉で話せるようになります。
上司が教えるより、外の人が教えたほうが素直に聞く、という面もあります。毎日顔を合わせる上司に報告の仕方を直されると、評価されているようで身構えてしまう人もいます。
判断の目安
迷ったら、次の2つで決めます。
教える内容は自社だけのものか、どの会社でも同じか。自社だけのものなら内製です。
教えられる人の時間を、年に30時間ほど、毎年確保できるか。できるなら内製でも回ります。できないなら、最初から外に頼んだほうが続きます。
両方を組み合わせるのが現実的です。基礎は外で学ばせ、自社の知識は社内で教える。外で学んだ型を、社内の報告で実際に使わせるところまでやると、定着します。
外注するときの注意
外に頼む場合でも、丸投げにはしないでください。研修を受けさせただけで、職場に戻ってから誰も何も言わなければ、1か月で元に戻ります。
上司が研修の内容を知っていて、「あの型で報告して」と言えるだけで効果が変わります。研修会社を選ぶときは、受講者が何を学ぶのかを上司にも分かる形で出してくれるかを確かめてください。


